コロナ・ショックがやってきた:相場混乱時の戦略

一部の投資家が待ち望んでいた「リーマンショック級の暴落」がついにやってきました。
厳密にはまだ入り口にすぎず、リーマンショック時の実績に倣えば、直近の高値の半分程度まで下落すれば100点満点の暴落でしょうが。

ともあれ、これまで高値安定していた株価に手を出せなかった投資家にとっては、またとないチャンスがやってきたように映っています。
ただ、ボラティリティの大きな状況で、それがどの程度の期間続くか不明な中、闇雲にキャッシュを注ぎ込むのは危険です。

そこで自分の投資内容を改めて検証し、どのような戦略をとるか考えて見たいと思います。

基本的にはジョージ・ソロスの名言に従います:

まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。

CFD(差金決済系)の戦略

CFDの特徴はレバレッジを効かせた取引です。
たとえば証拠金100万円投入して200万円分の取引をする、というものです。

しかし、相場変動時は預けた証拠金がレバレッジに応じてみるみる減少することもあり、証拠金の管理に注意を払わなければなりません。

△はCFDとしてはさまざま運用していますが、それぞれの運用目的やリスクに応じて取るべき対策は異なります。

トラリピ=守りの戦略

マネースクエア

FXといえば「FXで有り金全部溶かした」とか、とかく高リスクに思われがちですが、本来為替というものは株式に比べて変動はマイルドです。
無理なレバレッジをかけたり、少ない資金で運用するから溶かすだけで、リスクコントロールを適切に行なっていれば、コロナ・ショックでも数時間や数日でロスカットすることはありません(たぶん)。

△の設定では、各通貨とも現在のレートから30円程度の円高進行は問題ないので、とりあえず放置します。
数日〜1ヶ月で30円の変動はまずありませんからね。

ただし、追加ポジションを取ることは見合わせます。
変動が大きい時期は不利な条件でポジションをとりかねないので、手出し無用と考えています。

FTSE100=守りの戦略

こちらは英国の株価指数の取引になります。
株式に比べて動きはマイルドなものの、為替に比べれば短期に大きく値動きします。

3/9現在のFTSE100の数値は5659。
△のロスカットレートは2674。

かなり余裕はありますが、こちらは念のため証拠金を20万円追加し、ロスカットレートを674にまで下げました。

買い増ししたくなる水準なのですが、まだ下がるかもしれません。
「まず生き残れ」を重視していきます。

トルコリラスワップ=現状維持

FXPLUS

トルコリラはFXで毎月積み立てていますので、それを継続予定です。
FXといってもレバレッジ1倍ですので、証拠金の管理は不要。
外貨預金と同じ感覚です。

現在1TRY=17JPYを割り込み、どんどんクズ紙幣へまっしぐらですが、なぜか菩薩の如く心穏やかです。
レバレッジ1倍とはかくも人の心を安らかにするものなのか。
むしろ安くリラを仕入れることができてラッキーと思うぐらいです。

VIX=攻めの戦略

SVXYは放置中ですので良いとして、米国VIは空売りのチャンスをうかがっています。
この時のため、キャッシュは準備済みであとは空売り規制が解除されるのを待つのみ。

そして重要なことは3/11の価格調整後に動き出すことです。
おそらく、すでに空売りポジションを持っている人は、ここで強烈なバックワーデーション(マイナスの価格調整額)の洗礼を受け、甚大な被害を受けるでしょう。

すでに40を超えており、多少下げても十分お得な水準です。
ただし、さらに上昇することも考えられるので、資金の極振りせず分割して投資した方が良いと考えています。

トライオートETF=攻めの戦略

インヴァスト証券「トライオートETF」

こちらはあらかじめ直近の最高値から40%下落で新規ポジションを取ると決めていたため、それを発動します。
トライオートETFは相場反動時の利益率は凄まじい物がありますからね。

ただし、今後下落は長引くかもしれないため、米国VIと同様に分割投資の予定です。
ハイリターンな商品ですが、長期保有になると金利の支払いは地味に効いてきますので。

積立商品の戦略

ETFや投資信託の積み立てに関しては、CFDのリスクヘッジ(CFDが全滅しても、こちらには資金は残る)としての運用ですので、戦略はまったく異なります。

WealthNavi、つみたてNISA、iDeCoの=現状維持

WealthNavi

SBI証券[旧イー・トレード証券]

【確定拠出年金(iDeCo)専用】SBI証券

いずれも毎月の積み立てをこれまで通り継続するのみ。
むしろ安く購入できてラッキーぐらいな感じです。

できればこのままリセッション入りして2〜3年は割安で積み立てしたいのだが、とも考えますが、そうなるとCFD系の投資に大打撃なわけで結構ジレンマですね。

資金に余裕があればこのバーゲンセール期間中は投資額を増やしてもいいのですが、自分の性格としては、こんな時だからこそ、リスク高めの面白そうな投資に注ぎ込みたいですね。

個別株の戦略

個別株はバリューがあると信じてホールドしていますので、とくに戦略に変更なしです。

米国株=現状維持

3名柄保有しているものの、購入した時期がかなり前のため、今回の暴落でもまだプラス圏内です。
これが本来の価格なのかもしれませんが。

米国株は復活も早いでしょうから、このままホールドで良いでしょう。

コロナ・ショックは絶好の勉強の機会である

世間では未知の疫病に関する不安から、物資の買いだめや人心の不安が問題になっているようです。
気持ちは分からんでもないですが(実際はほぼ分からん)、こんな時こそ異常時に生き抜く力を身につける絶好の機会だと前向きに思った方がいいですよね。

投資に関してもそう。
こんなエキサイティングな相場は10年に一度かもしれません。

今こそ、これまで温めておいた資金や知識を投入してみる絶好のチャンスです。
やはり投資も実戦で学べることは多いと思います。

あと、忘れてはいけないのは、現在世界各国が大規模な金融緩和を実施していること。
つまり市場にじゃぶじゃぶお金を注ぎ込んでいるのです。

これは将来カネ余り現象が起こって、バブルが起こることが予想されます。
そのバブルがいつ来るかは分かりませんが、今のうちに色々とお安く買っておきたいですね。

ただ、大火傷をすることもありますので、最初に述べた例の格言:

まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。

を忘れずに、基本は現在の資産を防衛することを明確にし、状況に余裕が出てきたら、あるいは元々の余裕資金を用いて攻めの投資をしてみるのが良いでしょう。