中国「野菜買うで」→米国「関税延期してやるわ」→トラリピ決済トレール大発動

米中協議のおかげで円安に

なんのこっちゃなタイトルですけど、詳しく説明すると以下のようなことが起きました。

  1. 長引く米中貿易摩擦。市場はリスクオフムード
    →円高が進み、トラリピの買いポジションが溜まりに溜まる
  2. 10/11~12に米中協議が再開
    部分合意に至り、10/15の関税上乗せ先送り
  3. 協議前より部分合意への期待から、そして結果を受けてリスクオン全開
    →急激に円安が進み、ポジションが一気に決済される

この「部分合意」は中国が米国から農産物を大量に購入するというもの。
そしてその引き換えに10/15に予定されていた、米国が中国に課す関税を延期することになりました。

他にも中国が知財関係や為替で譲歩しているのですが、農産物関連がメインのようですね。
ただ、ほとんどの問題は先送りで何ら解決になっていないのは実に皮肉なことです。

ただ、それでも部分合意のインパクトは大きく、一気にリスクオンへと風向きが変わりました。
それだけ市場はプラスの材料に飢えてたのでしょうね。リスクオン=円安は定式化してるので、当然急激にに円安が進むという結果になります。

トラリピは為替レートの変動で売買を繰り返して利益を出す手法ですので、急変動、それも大きな変動は大歓迎。
今回はそれが発生して、大量決済にいたったというわけです。

トラリピが同時大量決済

2019年10月12日、実際の決済履歴がこちら:

10/12のわずか4時間で11ポジションが決済されています。

ポジションはAUD/JPYとCAD/JPYのいずれも買いポジションで、決済額は10310円。つまりわずか4時間でおよそ1万円の利益を得たということです。

決済トレールの威力

△のトラリピは利益額を400円に設定しているので、11ポジションなら、決済額は11×400円=4400円のはずです。
しかし、決済トレールを設定していたので、2倍以上の額になりました。

決済トレールとは利益額を増やすために有効な設定で、マネースクエア社公式サイトにある以下の解説が分かりやすいです:

△の設定の場合、本来の利益額は400円(上の図だと②の位置)ですが、これが600円→800円→1000円…(④→⑥→⑧…)と釣りあがっていくのです。
とくにレートが右肩上がりの場合は有効な設定で、今回協定合意の期待から円安方向、つまりレートが右肩上がりの場合、利益額がどんどん上がっていきます。

そして、レートが反転した時点で決済が実行されます。
10/10以降のAUD/JPYとCAD/JPYのレートを見てみると明らかにそのパターン通りです。

AUD/JPY:

CAD/JPY:

今回決済された11ポジションのうち、9ポジションにトレールが発動し、決済トレール無しの場合より多い額での利益確定になています。

今回はAUD/JPY、CAD/JPYともに2円程度の値動きでした。それでもこれだけの破壊力があるので、決済トレールはかなり有用なツールですね。

決済トレールは常に有利なのか

今回は決済トレールが発動しやすいレートの動きだったため、見事にはまりました。
ただ、それは常に当てはまることなのでしょうか?

決済トレールは買いポジションの場合は右肩上がりのチャート、売りポジションの場合は右肩下がりのチャートで有利です。
つまり、一方的な方向への値動き時に有利な設定といえます。

ただ、一方的な方向性に乏しい弱い場合は本来の利益を逃すケースもあります。
△の場合、400円が利益確定額ですが、決済トレールを設定している場合、+200円の600円に到達しなければ400円は有効になりません。

ボックス相場の場合、この200円に達せず、決済トレールを外したほうが確実に利益を取れる方法としてお勧めかもしれません。

これは興味深いテーマなので、いずれ「決済トレールありvsなし」の検証はやってみたいと考えています。それである程度の結論が出せればいいなと思っています。

決済トレールはトラリピ独自の特徴の一つです:
マネースクエア