トルコリラのレバ1倍積み立てをしている管理人。
先日なにげなくスワップポイントを確認してみると信じがたい事実に遭遇しました。
現在(2019年3月28日)も進行中のこの珍しい現象をまとめておきます。
*注意:異常事態のため、スワップポイント等、状況は時事刻々と変化するかもしれません。
スワップポイントが急騰中
こちらは管理人が取引をしているマネックス証券のスワップポイント情報。
2019年3月26日以降(赤枠)が明らかにおかしいです。
通常、1000通貨当り12円前後の買スワップポイントが、3/26(火)は45.2円、3/27(水)以降は65.4円に急騰しています。
通常時の5倍以上の数値です。
通常時だとレバ1倍の取引で年利23%程度です。
でも今のレートだと、年利115%になります。
今のレートでレバ25倍だと年利3000%。。。やめましょう。
いったいなにが起きているのか?
こういうときはトルコ関係ではおなじみエミン・ユルマズ先生のツイートを探してみましょう。
スワップポイント急騰の原因
エミンさんによると、こういうことみたい:
トルコリラの下落を受け、本日トルコ中銀は市場へのリラ供給を減らし、オーバーナイトのスワップ金利を90%まで上昇させました。これによってトルコリラは大きく反発。選挙前に何が何でも通貨暴落を防ぎたいようです。
— エミン ユルマズ (JACK) (@yurumazu) March 25, 2019
なるほど。。。
トルコでは3/31に統一地方選挙があるので、リラの下落は阻止したい。
そこで空売りヘッジファンドに膨大なマイナススワップをふっかけて、空売りを阻止しようということですな。
いわゆる通貨防衛に打って出たということですか。
でも、エミンさん曰く、2001年にも同様の防衛策に打って出たものの効果はなかったらしい。
今回はどうなるのか?
通貨防衛は成功するのか
ではTRY/JPYの日足チャートを見てみましょう(2018年12月中旬〜)。
(USD/TRYのほうが一般的ですが、日本人の管理人にはこっちが馴染みもあるので)
まず、3/22(金)にリラは急落し始めます。
これはトルコの経済指標の悪化がおもな原因のようです。
そしてこのような状況下では、ヘッジファンドはショートポジションを取ってきます。
この状況をトルコ中銀(というかエルドアン大統領)が黙って眺めているわけがありません。
週明けの3/25(月)、リラの下落を防ぐため売買を抑制し、スワップ金利を上昇させます。
この結果が最初のスワップポイントの表にある、3/26(火)の急騰ですね。
そして、中銀の思惑は的中し、リラは値を戻します。
ところが、3/27(水)以降、リラは再び下落に転じます。
リラの売買が制限されている中、リラを買い戻してポジションを解消したいファンドは、債券や株式などを売却して現金を確保する必要に迫られたのです。
その結果トルコ株式・債券が下落する結果となっています。
リラも再び下落に転じており、選挙期間中(今週いっぱい)持ちこたえられるのか微妙な情勢です。
個人的には、通貨防衛というピンポイントでは勝ち〜引き分けですが、総合的な局面ではとんでもない悪手を打ったとしか思えないのですが。
ちなみに、リラの流動性が制限されているため、ロンドンでリラを借り入れる翌日物レートは一時1000%を超えた(3/27)とこのと。
さすがにこれでは空売り勢は手も足も出ないですね。。。
これは相当珍しいことなので、個人的に結末が大変気になります。
通貨戦争勃発、的な。まさに生きた教材ですね。
まずは選挙結果を待ちましょう
ということで、意外なところで一悶着あったトルコリラの顛末でした。
小市民的にはスワップがたくさんもらえて嬉しいってとこですが、まあそれも長くても今週中までのことでしょうし、大したことではありません。
3/31に選挙結果が出てからが見ものですね。
エルドアン・グループが勝っても負けても、あまり良い未来は見えないのですが、なにが起こるかワクワクはしております。
それにしても、スワップがいきなり5倍になるなんて想像もしていませんでした。
もし空売りをして、気づかなかったらと思うとぞっとします。
投資って面白くて怖いですね。