「マネー・ショート華麗なる大逆転」を観ました

投資をしていない人でも知っている2008年の金融恐慌「リーマン・ショック」。
多くの投資家が大損する中、逆にぼろ儲けをした投資のプロたちがいました。
そんな彼らを描いた映画「マネー・ショート華麗なる大逆転」を観ました。

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この価格ならもしつまらなくても後悔しないです。。

ざっくりストーリーを説明すると、とある変わり者トレーダーが、暴落間違いなしと確信した怪しい金融商品をショート(空売り)して大儲けするというもの。

まちがっても素人がこの映画を観て大儲けすることなんてできません。
まずこのショート取引を理解すること自体相当難しいですし。
できれば原作(日本語版あり)を読んでから観るほうが理解しやすいです。

管理人も投資を始めるようになって以来、この映画のことは気になっていたのです。
ただ、原作を読まなければ楽しめないことは想像できたし、そして原作を読み始めたものの、なかなか理解できずにかなり時間がかかってしまいました。
で、そんなこんなでやっと映画にたどり着いたというわけです。

キーワードとなる「空売り、MBS、CDO、CDS」といった用語が分かりようになり準備万端。
観終わっての感想は「プロの投資の世界は恐ろしすぎるわ」。
自分のいる世界とは全く別世界だ。

でも同時にそんな投資の世界にも、自分の投資姿勢に活かせる教訓が数多く見つけることができました。
投資の世界から退場しないために大事なことばかりです。
分かりやすいように表現を少し変えていますが、いくつか紹介します。

  1. クズ債券を集めてもっともらしい商品を作ること、これは売れ残りの魚を使ってシーフード・シチューを作るのと同じ手口だ
  2. 人は凶事が起こる確率を低く見積もりがちだ
  3. 人は今起こっていること(良いことも悪いことも)が将来も続くと考えがちだ
  4. 私欲に忠実なやつは信用できる
  5. 格付け会社は格付けを販売しているショップに過ぎない
  6. 目論見書なんて誰も理解していない。目論見書の起草者だって理解していない。
  7. リスクが高いからこそ「空売り」が存在できる。低リスクの商品で空売りをする理由はない
  8. 恐欲

aは投資あるあるですね。騙されるほうが悪いと言われればそれまでですが、こういう商品があるから投資が誤解され困ったものです。

bとcはセットで肝に銘じたいことですね。仮想通貨で大損した人はまさにこのパターン

fはたしかにそうだなあと実感。
SVXY(米国VIベア)の目論見書なんて、凡人の理解力の及ぶとこではないです。
まあ「素人には難しいから手出し無用ですよ」と注意してくれているのは親切ですが。

hはセリフではなく、主人公のBurryの仕事部屋に掲げられていた文字。
日本語では見かけないフレーズだし、中国語でもないみたい。
欲深くなることを恐れよ、ってことですかね?

管理人は多少なりとも投資の世界に足を突っ込んでいるので、いろいろと教訓になったのですが、一般人がどんな感想を持つのだろう?というのは気になります。

この映画のストーリーとしては、「従来の歪んだ金融の世界vsそれらにひと泡ふかせる主人公たち」という面もあるけれど、一般の感想としては、どっちも金にまみれた汚い世界って思われそうです。
投資を実施するに際しての教訓を得るというよりは、むしろ投資への嫌悪感を増やしそうですね。

個人投資家が参加できる投資はもっと地味で退屈なものなんですけどね。
この映画で描かれているのはプロの世界のこと。
プロの真剣な戦いからさまざま学べる良作だと思います。